2016年3月1日

高性能なSOFCのための電極開発

電極はSOFCの性能を決める重要な部材です。空気から酸素を取り込んでO2-イオンとする空気極(カソード),燃料とO2-イオンを反応させる燃料極(アノード)について,新しい発想に基づく設計によって高機能化,高性能化を目指しています。下記にその研究内容の一例を示します。

 

空気極


(La,Sr)CoO3は, 高い電子導電性・酸化物イオン導電性を示す優れた空気極材料として知られています。しかし,700˚C以下SOFCを運転するためには,さらなる特性の改 善が必要です。最近,私たちはこの酸化物に,これとよく似た構造の(La,Sr)2CoO4が 接触すると,その界面付近で酸素の取り込み反応が非常に速やかに進行することを見いだしました。現在,この現象の機構の解明と,実際の電極への応用の方法 について検討を進めています。

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燃料極


燃料極には,通常Niと電解質酸化物との混合物(Ni-YSZサーメットなど)が用いられますが,長時間運転や酸化/還元などによって,電極中のNi粒子 が凝集するなどして特性が劣化することが知られています。また,このような現象が燃料利用率の高い状況で起りやすいとの報告もあります。そこで電極反応の 交流応答の詳細な解析によって,劣化現象の機構を解明することを試みています

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